谷川俊太郎さんを知ったのは、小学校のころのことです。
確かテレビドラマの劇中で、主人公の方が呟くナレーションが印象的で、今でも鮮明に覚えています。
それは、詩「生きる」でした。
その美しい言葉から溢れ出す映像が、私の心の中でぐるぐると回り続け、
深い感動を覚えたことを今も忘れることができません。
次に谷川さんに出会ったのは、三好達治さんが書かれた谷川俊太郎さんの処女詩集『二十億光年の孤独』の序文を通してでした。
この順序が前後しているのは、私の不徳の致すところですが、「この若者は意外に遠くからやってきた」という言葉で始まる三好達治さんの序文は、まさに谷川俊太郎さんそのものを表しており、改めてその偉大さを認識させられました。
それからしばらく時が過ぎ、私がフリーランスから会社を起こし、それなりに形になって経営をしていた頃のことです。
ある日、ふと「会社の詩」を谷川俊太郎さんに書いていただけないだろうか、と思い立ちました。
出版社の方に相談し、ありがたいことに快諾をいただきました。
その後、あれこれと資料をお送りし、谷川さんに考えていただきました。
その間、風邪をひかれたと伺い、とても心配したことを今でも覚えています。
そして、ようやく完成した「社詩」は、今も会社の会議室の壁に飾られています。
「闇にひそむ光を闇から解き放ち、隠された色とりどりの欲望にふさわしい設計図を用意する」
——この詩は、まさしく私が一人でスタートし、今では多くの仲間たちと共に歩んできた会社の象徴そのものです。
この詩をこれからも大切に受け継いでいくつもりです。
ありがとうございました。谷川俊太郎さん。
またどこかでお礼を言わせてください。
谷川俊太郎さんからいただいた原稿。